瀬口たかひろのBLOG

マンガ家の日々を綴るブログだけど、マンガ成分は少なめかもね

坂の途中の家の感想の日

最近読んだ本です。

坂の途中の家

坂の途中の家

 

 ラジオで紹介されてて面白そうなので読んだんですけど、心理描写がすごく説得力を持って描かれていてグイグイ引き込まれました。

最終的には少々もにょるカンジで終わってしまったんですけど、読んだ後で何か語りたくなる作品てのはすごいな、と素直に思います。

 

で、これ最後は離婚を決意したっていうふうにしかボクには読み取れなかったんだけど実際のところはどうなんですかね。

裁判員になって心を病んで家庭崩壊して、でも主人公本人は“自立したわたし”になって晴れ晴れ!』って、それめっちゃダメパターンじゃん!って思うんだけどもよく考えればこの作者さん「紙の月」も似たような構成だし、そもそも主人公が心を病んじゃったっていうのはボクがそう思っただけで、作者さん的には病んでる描写をしているつもりなんかないのかもしれない。

むしろ真実に目覚めていく過程を描いてるつもりなのかなー。

 

どちらにせよ家族や家庭といったものに対してちょっとした憎悪があるようには感じるんですよね。

その辺がちょっと共感しづらい。

 

こういう本が売れて広く受け入れられるのは悪いことだとは思わないんだけど、世間は共感を持って受け入れてるんだろうか、それともたんに刺激的なエンタメって感じで楽しんでるんだろうかっていうのはちょっと気になりました。

 

↑というようなボクの感想ですが、それに対して『どの口が言ってるんだおまえ』と言いたくなるような本が本日地方でも発売されましたのでよろしくお願いします↓

おしまい。